現状、製造業は厳しい状況に置かれています。
厳しい状況ならば、求人募集はしていないのでは?と思われるでしょう。
しかし、実際は同時に人員不足という問題にも悩まされています。
派遣出身係長の私が今実感している厳しい状況と、だからこそ正社員を目指す派遣社員が必要とされる理由について綴ります。
製造業の厳しい現状
コロナ渦
2020年から始まり、2022年が終わりを迎える今もまだ収束が見えないコロナ渦。
世界全体に大きな影響を与え続けていますが、製造業への影響も当然大きいものでした。
巣ごもり需要など、一部のカテゴリーでは盛況となる時期もありましたが、全体で見れば大きなマイナス影響を与え続けています。
製造業で最も巨大な産業で中心なのは、自動車産業です。
自動車産業が止まれば皆止まると言っても過言ではありません。
コロナにより、大きな自動車工場の操業停止が相次ぎました。
また、世界各国でロックダウンがあり社会活動自体が止まりました。
特に製造業は中国に頼る部分が大きく、その中国が頻繁にロックダウンとなりました。
実際、3月頃から自動車関係のオーダーが軒並みキャンセルとなり私も酷い目に遭いました。
本当にパッタリと止まりました。
製造業は当然作ってナンボで、業績に大きなマイナス影響となりました。
自動車が売れなくなったわけではありません。
むしろ公共交通機関での密を避けるために自動車はより必要とされました。
コロナが落ち着きを見せると今度は自動車工場は挽回生産が行われました。
全体がその挽回生産に応える供給が必要となり、能力不足、人材不足の事業所には生産が追い付かないという意味でも厳しい状況が生まれました。
原材料不足
コロナで世界中の工場が止まった影響は、物が出ていかないことに加えて物が入ってこないという状況にも繋がりました。
さらに、資源の枯渇問題も出てきており、原材料の供給が無くなるという事例が出てきました。
製造業は作ってナンボです。
代替え品の調達や代替え品での生産ができるようにするという仕事が発生します。
その為にはコストも掛かり、人員不足も痛手となります。
さらに、最もコストが掛からないからこそ使っていた原材料が無くなるので、代替え品は高確率でコストアップに繋がります。
また、自動車関係では半導体不足という大きな問題が発生しました。
これにより、自動車工場がまた停止するという事態が発生し、コロナと同じ流れとなりました。
原油価格高騰、原料価格高騰
毎日のようにニュースになっている原油高。
ガソリン、灯油の価格を見れば一目瞭然です。
原油は非常に多くのものに使われており、原油高によって多くの原料価格が高騰しています。
そして、物を運ぶには燃料が必要です。輸送費も当然上がっています。
原価コスト、輸送コストが上がり、生産する量が減っているという問題に加えて、生産しても利益が出ないという問題が発生しています。
その結果が、今の世間の値上げラッシュとなっているわけですが、値上げも追いついておらず、製造業は厳しい状況です。
派遣社員が必要な理由
コスト削減と人員不足解消
生産量減、原材料価格増。
外的要因によって厳しい状況となっている製造業。
利益を出すために、コスト削減が急務となっています。
しかし、同時に人員不足という問題もあり、人員は削減するどころか増員が必要です。
そこで、派遣社員が必要となります。
メリットとしてまず正社員よりもコストが抑えられるという点があります。
しかし、もっと重要なメリットは即戦力として期待できる点と、入社してから双方共に判断できるという点です。
メリットデメリットについてはまとめた記事を参照してください。
長期的に見て『正社員として採用したけど全然戦力にならない』
このコストが事業所にとってどれだけ痛いことか。
また、『正社員として採用したけどすぐに退職してしまった』
これも無駄で大きなコストです。
この2つを回避できる点で、派遣社員から正社員にする社員登用という方法は現状の製造業にとって本当に有効な手段です。
今こそ製造業に必要なのは、派遣社員です。
まとめ
実際に派遣で入社して正社員となった経験、そして生産管理部門の係長としてコスト削減と人員不足に悩んでいる現状。
切実な実感として、今こそ正社員を目指す派遣社員が必要だということを綴りました。
実際に、人事担当者に確認したところ現在派遣会社5社に紹介依頼をしているそうです。
しかし、条件に合う人材はなかなかいない。
後々の正社員を求めて派遣会社に紹介を依頼している事業所と、派遣会社に登録する人の意識がマッチしていないことが原因です。
製造業で派遣から正社員になることのメリットが広まって、意識して登録する人が増えることを切に願います。
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