人事担当者に聞いた、ある事業所の派遣社員事情2023

派遣関連

ある事業所の人事担当者に直接話を聞いてみました。

・今、事業所で働いている派遣社員について

派遣社員は現在3名働いています。もちろん手放したくないという人材であれば、正社員登用も考えられます。

・今、派遣社員の募集はしているのか

5つの派遣会社に紹介を依頼していますが、なかなか紹介してもらえません。他社に行ってしまってうちに紹介が回ってこない状況です。

 

ある事業所というのは、お察しの通り私の働いているところです。

もちろん、これが全ての事業所に当てはまるわけではありません。

派遣全体の実態調査結果はこちらのページで紹介しています。

【2017年調査結果】派遣実態調査から現状を把握する
厚生労働省の派遣実態調査(最新2017年)から注目すべき数字を抜粋して現状を把握し、 そこから分かったことをまとめます。

しかし、たとえ全体の数字としては少数だとしても、派遣社員を必要としている会社・事業所はあります。

その事実の1つとして、ある事業所の今について人事担当者から直接聞いた話をもとにお伝え致しますので、なにとぞよろしくお願い致します。

なお、『自分が派遣から正社員になったから興味がある』という理由をつけて、業務時間外の雑談レベルで聞き出している点はご考慮下さい。

 

ある事業所で今働いている派遣社員事情

今働いている派遣社員の人数

全社員数は100~200名。(一応、特定を避ける為に幅をもたせています)

そのうち、現在働いている派遣社員は3名。

勤務歴は、それぞれ約2年、約1年、約10か月。

会社全体としての人員は派遣社員を入れても現在3~5名足りていない状況です。

 

今働いている派遣社員の仕事内容

1名が製造現場での製造業務、2名が事務所での業務を担当。

全員が各配属部署で正社員と同様の業務を行っています。

製造ラインでの軽作業は協力会社に外注しており、当社が軽作業や短期間の突発作業の為に派遣社員を充てることはありません。

 

今働いている派遣社員の今後

もちろん手放したくない人材であれば、正社員登用の可能性はあるということでした。

派遣法により、同じ業務に就けるのは3年間となっています。

新卒、中途に関わらず正社員として採用しても半年以内で退職してしまうことも多い中、派遣社員の3名はすでに定着しており3年間という区切りをいずれ迎えることになるでしょう。

本人たちがどんな意思で派遣社員として入社したのかまで踏み込んで聞くことはできませんでしたが、正社員を前提に入社したしたということでは無いようです。

理由としては、私が正社員になることを前提に派遣で入社したという話をすると、「紹介予定派遣で入社したのですか?」という言葉が出てきたからです。

紹介予定派遣ではない=正社員登用が前提ではない

基本的には今はこの式が当てはまるようです。

しかし、実際に正社員登用の可能性はあると言っているのでこの式が全てではなく、紹介予定派遣ではなくても正社員登用の可能性はあります。

私の場合は、そもそも紹介予定派遣という制度が無い時代だったので、面談の段階での話として正社員登用が前提となりました。

今現在働いている3名の派遣社員については、悪い評判は全くありません。

少なくとも事務所で直接働き振りが目に入る2名については、本人たちの意思さえそうであれば確実に正社員に登用されると思われます。

むしろ会社側に、本人たちに正社員になろうと思わせる魅力があるかという段階。

入社して働きながら判断できるという、派遣から正社員を目指すメリットがここで生きてきます。

事業所側としてもリスクの少ない派遣社員として採用し、手放したくない人材であれば正社員に登用するという流れはメリットが大きいです。

【経験上】製造業で派遣から社員登用を目指すメリットとデメリットのまとめ【実情】
派遣のメリットとデメリットを紹介します。 派遣という括りではさまざまなメリットとデメリットが挙げられますが、ここでは製造業で社員登用を目指すという前提でのものに絞ります。

もし3人がその流れで正社員となれば、双方が派遣制度のメリットを生かせたということになります。

※2023年4月3日追記

4月1日付で1名が嘱託社員となりました。6か月後に正社員となります。

良かった!の一言です。

 

ある事業所で今行っている人材募集事情

今の会社全体での人材募集状況

人員は3~5名不足している状況です。

学生を対象とした新卒採用はもちろん、中途での正社員採用、派遣会社へ紹介を依頼しての派遣社員採用と幅広く募集を行っています。

2023年春入社の新卒採用は4名が内定しており、内定辞退やギャップによる早期退職を防ぐために説明会や懇談会が行われています。

逆に言えば、毎年内定辞退や早期退職があるという現実で、中途採用もしかりです。

あくまでもある事業所の場合ですが、リスクが少ない派遣社員の方が採用の機会は少ないものの、しっかり定着しているという事実があります。

 

今の派遣社員の募集状況

5つの派遣会社に紹介を依頼しています。

しかし、なかなか紹介してもらえないという状況が続いているそうです。

理由の1つはまず、それなりに派遣会社へ紹介を依頼している要求が高いということが挙げられます。

人員を必要としている部署から人事担当へ募集を依頼する中で、どんな人でもいいということには絶対になりません。

他の部署の部長が、「派遣会社から資格を持っている紹介候補がいると連絡があったみたいだけど、今必要な年齢とは合わないんだよねえ」といった話をしているのを聞いたことがあります。

軽作業や一時的な補充として派遣社員を求めているわけではなく、それぞれの部署が正社員と同じ戦力として紹介を依頼しているので当然それなりに要求は高くなります。

派遣会社へ条件に合った人材の紹介を依頼できることは事業所にとってメリットです。

しかし、合致する人材がいないことが、なかなか紹介してもらえない理由の全てだと考えていました。

しかししかし、実際の紹介してもらいない最大の理由は違うそうです。

「候補の人材はいるけれども、他の会社が選ばれて紹介が回ってこないんです。」

ガーーン。

結構な衝撃を受けると共に、納得もしてしまいました。

確かに、近年この地域には某有名自動車会社の事業所が移転してきたりと、名の通った会社の事業所がいくつもあります。

自分もあの時、しっかり派遣会社に頼んで転職活動すれば

【経験談】派遣出身係長の私が派遣会社に登録してから正社員になるまでの振り返り
3回の転職を繰り返し、4つ目の職場を最短の1週間で退職。 先の見えない中、とりあえず派遣という形で収入を繋ごう。 そう思ってから、派遣で入社した2社目で正社員となるまでを振り返ります。

いや、結果として正社員になって骨をうずめようとしている(うずめるとは言っていない)ので、これで良かったのです。

ここで分かった大事なことは、派遣社員を必要としている事業所が他にもたくさんあるという点と、派遣会社が条件を提示して登録者の希望を聞いて紹介しているという点です。

 

まとめ

ある事業所の人事担当者に聞いた話をお伝えすることで、事実として派遣社員を求めていて、さらに手放したくない人材であれば正社員登用の可能性がある会社があるのだということが分かって頂けたと思います。

さらに、それなりの条件を満たした人材、つまり正社員となれるような人材を求める事業所が多く存在するということも分かりました。

確率で表されると低くても、製造業の事業所は絶対数が多いのでその機会はあります。

改めて、製造業で派遣から正社員を目指すという方法は1つの選択肢としてメリットの大きなものだと考えます。

なお、ここで『紹介予定派遣』という制度が出てきましたが、このサイトは一般派遣で派遣から正社員を目指すという前提で作成しています。

なぜなら、私が経験して自信を持って勧めることができるからです。

しかし、紹介予定派遣も派遣から正社員になるという目的は同じです。

私が転職活動をしていた頃には無かったこの制度についても、自分なりに調べてまとめる必要があると考えています。

いずれにしても、繰り返しになりますが派遣から正社員になることはメリットが大きな方法です。

メリットを生かして、デメリットを最小限にするためには正しい方法・流れで派遣制度を利用しましょう。

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製造業で派遣から正社員になる。 偶然が重なって結果的にそうなることができて現在、生産管理部門で係長をしている私です。 現在は、派遣から正社員を目指す人が来て欲しいと切に願う立場です。 その経験から、派遣から正社員になるまでの最短の流れを示します。

 

 

 

 

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