3回の転職を繰り返し、4つ目の職場を最短の1週間で退職。
先の見えない中、とりあえず派遣という形で収入を繋ごう。
そう思ってから、派遣で入社した2社目で正社員となるまでを振り返ります。
目次
応募・登録止まりの日々
とにかく業種問わず、すぐに働きたい。
求人広告、求人サイトで応募先を探しました。
1999年の労働者派遣自由化で2000年代は派遣会社が急激に増え、街のいたるところに事務所があるという印象がありました。
時給と仕事内容を見て応募し、そんな小さな事務所へ履歴書を持って面接に行く。
正確な数は覚えていませんが、それが何回か続きました。
「公開していた求人はもう埋まってしまい、今日は面接と登録だけで希望に合った求人が出てきたら連絡をする。」
このパターンがまずはありました。
「1週間以内に連絡します」と言われた時も含めて、このパターンはその後しばらく連絡がきませんでした。
すぐに働きたいというその時の希望と合っていないし、嘘ではないのでしょうがこの流れには派遣会社に不信感が芽生えてしまいました。
当日のうちに派遣先の大きな事業所へ見学と面接に連れていってもらえたこともありました。
しかし、こちらもその後の連絡が遅く、募集されていたものと通勤時間が大きく違ったことで不信感を持ってしまい入社には至りませんでした。
それでも先が見えていない身、派遣で働いて繋ごうという方向は変えられません。
派遣入社1社目が決定
そんな中、決まる時は急転直下でした。
応募した当日に連絡があり、正確には覚えていませんが翌日か数日後に履歴書持参でその応募した求人募集先の事業所へ面接へ行くとのこと。
連絡のスピード感と電話対応の印象がこれまでとは違いました。
ここで初めて派遣会社を調べたのですが、初めて大手の派遣会社に応募をしていました。
ここまでは求人内容だけを見ていて、派遣会社については全く気にしていなかったのです。
私と他にもう1人一緒に面接を受けるということで、事業所近くで担当者と計3人で待ち合わせ。
もう1人は私より明らかに若いおとなしそうな人で挨拶をしても返してくれず、そもそもこっちも人見知りで勇気を出して挨拶をしたので気まずい気まずい。
だからこそしっかり記憶に残っているのですが。
派遣会社の担当者はいかにも頼りになりそうな女性で、この地区の所長とのこと。
さすがに話が上手で気まずい空気を変えて、面接に向かうまでの短い時間で色々な説明や雑談を進めてくれました。
結果的にこの担当者のおかげで私の人生が大きく変わることになります。
その後、求人募集されていた事業所へ向かい、2人で一緒に面接を受けました。
採用の場合は1週間以内に連絡がくるという今までと同じような説明を受けて解散。
また連絡待ちの…と思う間もなく、体感で約1分45秒後に担当者から電話。
「まだ帰ってない?すぐに戻って来て!」と。
もう事業所に連れてきた時点で決定していたとのこと。
履歴書の内容と集合場所での会話が派遣会社としての判断材料だったのでしょう。
こちらの意思を最終確認して、すぐに事業所の人事担当と話をするという流れでした。
この急転直下の中で断るという選択肢は頭に浮かびませんでした。
担当者との会話で色々と乗せられていたこともあったと思います。
改めて面接と説明を受けて、翌週から勤務することが決定しました。
通勤時間は車で10分。
子供の事から知っている地元では有名な事業所。
仕事の内容は、自動車部品の製造補助でした。
正社員での転職を決意し1社目を退職
同じ部署にもう1人同じ派遣会社からの派遣社員がいて、勤務は2人での交替制。
仕事内容は簡単で、社員(2人×2交替)の人たちにも嫌な人はいませんでした。
まさに誰にでもできる仕事で、やっぱり派遣社員とはこういう仕事なのかと。
それを分かっていて繋ぎとして派遣を選択したものの、とにかく時間が長く感じることがつらかった。
もう1人の派遣社員が休みがちになり、退職。
次の派遣社員を入れるのではなく、もう1人が休みの時と同様に私が勤務時間を延ばして対応することになりました。
休むことなくとにかく真面目には勤務していたので新しい派遣社員を入れるよりリスクが低かったのでしょう。
しかし、時間が長く感じるのがつらかった自分にとって、これは徐々に効いてきました。
今思えば派遣会社の担当者に相談すれば良かったのですが、
当時は派遣会社についての知識もなく相談する選択肢が浮かびませんでした。
前職を1週間で辞めた人間が言えることではありませんが、事業所にも派遣会社にも失礼なのでとにかく半年は続けてそこでその先は考えようと決めました。
考えた結論は、『派遣社員を辞めて正社員を募集している企業に転職する』でした。
ここは社員登用制度も無く、むしろ正社員を減らしている状況だったので、その結論から続ける理由は全くありません。
正直にもう派遣として働く気が無くなったことを派遣会社の担当者に伝え、退職が決定。
そこから5回目の転職活動が始まりました。
再び同じ派遣会社で5回目の転職
ちょうど正社員を1名募集していた企業があり、書類選考→1次面接と通過。
最終面接の日程連絡待ちという状況で、派遣会社の担当者から連絡が入りました。
「初めての企業から急ぎの紹介依頼があって、依頼の条件が高くて他に紹介できる人がいない。面接だけでもいいから受けて欲しい。」
ということでした。
お世話になった担当者のお願いということと、今思えば上手に乗せられたのでしょう。
面接だけならと受けに行くことにしました。
地元の製造業で東証一部上場の会社でしたが、私は名前を知りませんでした。
再び面接に向かう前に色々と担当者と話をする時間がありました。
派遣会社に来る前は、保険の営業でトップになり目標を失って精神を病んだ経験があったとか。
それで派遣会社の営業に転職して所長に。なるほど、デキるはずです。
事業所での面接の際も、前の職場で真面目に勤務していたこと、他に紹介できる人がいないことなどを本当に上手に伝えてくれました。
その結果、先々は正社員になる前提でぜひ入社して欲しいという内容になりました。
しかし、私の希望は初めから正社員としての転職です。
もう1社の最終面接を優先させて欲しいと正直に伝え、結果を待ってもらうことになりました。
その最終面接の日程がなかなか決まらず。
面接をする副社長の都合がつかないそうで、1週間以上が空きました。
さすがにこの間に、派遣会社の担当者にもう待てないと断りの連絡が入りました。
そして、副社長に押され気味だったもう1社の最終面接の結果は不採用。
不採用の結果は妥当で、おそらく面接の内容からして自分が入社しても合わなかった。
ここで、正社員になることを前提に派遣社員として入社することが、どれだけありがたい選択肢なのかと初めて痛感することになりました。
入ってから双方が判断できるわけですから。
最終面接の日程が早く決まっていてくれたらと、流れの悪さにショックを受けました。
そこで、派遣会社の担当者に連絡し、ダメ元でもう1度連絡をしてもらいました。
「OKだったよ。」
相当わがままで失礼な経緯でしたが、OKとなったのはそこでも担当者のフォローがあったのだと思います。
1年5か月後に正社員となる
1か月後の異動で欠員が出る為、その間に戦力となる必要がありました。
当然、仕事内容は正社員と同じです。
半年間、補助で単純な作業を繰り返していたので、やりがいがありました。
人間関係もそこまで合わない人はおらず、順調に勤務し続けました。
派遣会社の担当者も定期的に訪問しに来てくれました。
真面目にやる気も出して勤務していたので「すごく評判良いよ、ありがとう。」と感謝されました。
その結果、同じ派遣会社からもう2人入社することになりました。
1人はすぐに辞めましたが、1人は同じく正社員となり現在は他の係の次期係長です。
「でも、3年は派遣社員で我慢してね。」
同時に、担当者にはこうも言われていました。
派遣会社としては最長期間派遣として働いてもらいたい。
しかしそこは、やる気で何とでもなります。
結果、1年5か月後に正社員となることができました。
「最初はやる気があって良かったのになあ」
後に上司から何度も言われましたが、振り返るとその通りですね。
そんなこんなで現在は管理部門の係長です。
まとめ
求人募集を見て応募するのではなく、直接大手の派遣会社に登録すべし
→その方が無駄が無くて早いしサポートも確実です。
派遣会社の優秀な担当者との出会いが重要
→私は運良く出会えたし偶然の流れで良い結果になりました。これを狙って動くことができれば、製造業で派遣から正社員になる人は絶対に増えます。
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